sneakerfreak9999’s diary

JordanのJordanによるJordanの為のブログです。

Air Jordan × Max Pack

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2017年に復刻される”アトモスエレファント”は通常版に加え、スペシャルカラーのAJ3とセットになったバリエーションがラインナップされることが知られていた。ここで紹介する”アトモスエレファント”がAir Jordan×Max Packとして発売された一足である。サイドから見た限りでは通常版と同じように見えるが、ソールのデザインは衝撃的だ。アウトソールにクリア素材を採用し、フォアフット部にゴールドのジャンプマンマークが配されているのだ。確かに、過去にはマイケル・ジョーダンAIR 180(現在のAir Max 180)を履いてポスターに映ったエピソードはある。だがランニングシューズの最高峰であるAir Maxに、バスケットボールの最高峰を意味するジャンプマンマークをいれる行為は前代未聞。これはスニーカー誌に残る出来事だ。さらにエレファント柄のインソールなどこの希少を手に入れた幸運なスニーカーヘッズだけが知り得るディティールも採用。何年か後に再び”Nike Vote Back"が開催された際、”世界一かっこいいAir Max"の2連覇に輝いても不思議ではない仕上がりだ。

 

Air Jordan 1 "WINGS"

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シュータンの裏にシリアルナンバーが記載されるジョーダンブランドの社会貢献プログラムと連動したAJ1。

 

アッパーに採用されるレザーにアンティーク調の加工を施したAJ1"WINGS"は、ジョーダンブランドの社会貢献プログラム”ウィングス”と連動したプロダクトだ。ニューヨークとロサンゼルスに次ぐ全米第3位の人口が集まる都市であるシカゴに暮らす若者を、スポーツを通して支援する活動うぃ支える基金が”ウィングス”プログラムであり、このAJ1ha2016年のAJ12に次ぐ2代目の”WINGS"モデルにあたる。アッパーはゴールドカラーをベースにブラックをオーバーレイして、パーツのエッジを際立たせるような陰影を演出した手の込んだペイントが施されている。さらにクリア素材のアウトソールからは”WINGS"のロゴが透けて見え、その背景にはフェザーパターンがデザインされているのも見逃せない。シュータンやメタル製のヒールタブに刻印されるMJのシルエットは”WINGS"と呼ばれる1989年のポスターをサンプリングしたものでこの特別なプロダクトを象徴するシンボルなのだ。このAJ1”WINGS"装着される足首部分の補強パーツ”アンクルスタビライザー・ストラップ”は全体がシューズに縫い付けられていないのが特徴で、このモデル以降に発売された”OG"にも同様のディティールが度々採用されている。さらに工場出荷状態に装着されているレザー製のシューレースも、”OG"と呼ばれるAJ1としてはレアケースだ。あらゆるディティールで特別感を演出した”WINGS"の存在は世界中のスニーカーヘッズを驚かせたが、当初は生産数が700足程度と予想されており、多くのファンを絶望させている。実際には1万9400足がリリースされ、シュータンの裏にはリリースナンバーを記したタグが縫い付けられている。1985年当時のディティールとは一線を画す仕上がりがネガティブに捉えられているのか、リセールマーケットでは比較的手頃な相場で安定しているものの、シリアルナンバー入りの希少性もあり大穴の一足に推したくなる一足だ。

Air Jordan 1 "BLACK METALLIC GOLD"

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1985年に製作されていた幻のAJ1をOGディティールのAJ1で再現した特別な復刻モデル。

 

ブラックのパテントレザーにメタリックゴールドを組み合わせたラグジュアリー感満載のAJ1は、2020年に”OG"ディティールで復刻されたプロダクト。同様のカラーブロックを採用したAJ1と言えばジュエルスウィッシュを採用したミッドカット版も有名だが、スニーカーに詳しい上級者であればハイカット版での復刻を待ち望んでいたに違いない。ブラックパテントとメタリックゴールドを組み合わせたAJ1は、1985年ににも存在していた。当時はAJ1にミッドカットが存在していないため、そのAJ1もハイカットディティールを採用している。ファンからは”黒金”と呼ばれ、ミッドソールがブラックのバージョンとホワイトのバージョンの2タイプが確認されていたがいずれも一般発売される事はなく、恐らくワンオフ、もしくは数即しか製作されていないサンプル版と考えるのが妥当だ存在だ。オリジナルの黒金は国内のストリート誌でも紹介され、当時のスニーカーファンに強い衝撃を与えたのも懐かしい。この黒金のAJ1を語る際には、当時のスニーカーシーンの闇を象徴するエピソードにも触れなければならないだろう。オリジナルの黒金はマーケットに流出する可能性は、限りなくゼロに近い存在だったが、2000年前後に発売されたストリート誌の広告には2万円に届かない金額で黒金のAJ1が掲載されていた。さらに当時のJR原宿駅前に存在した露店が集まる”テント村”には、通りから見えない位置で黒金が発売されていたのである。言うまでも無くこれらは復刻版ではなくフェイク(偽物)品でテント村で黒金を売っていた外国人に話を聴くと、笑いながら「結構売れてるよ」と話していたのを覚えている。もちろん当時のスニーカーファンも雑誌広告や露店で売られる黒金がフェイクだと認識しており、実際に購入した人は少なかっただろう。そうしたバックストーリーも含め、2020年に復刻した”BLACK METALLIC GOLD”はファンにとっては特別な一足なのだ。

Air Jordan 1 "BLUE CHILL UNC"

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圧倒的な人気に後押しされ、これまでに数多くのバリエーションカラーを展開してきたAJ1シリーズ。

 

そのラインナップではシカゴ・ブルズだけでなく、多くのNBAチームのカラーをサンプリングしたバリエーションが存在している。特にシャーロット・ホーネッツをイメージしたAJ1は、バリエーションに恵まれたカラーバリエーションの代表格。シャーロット・ホーネッツがMJ出身校と同じノースカロライナ州に本拠地を置くNBAチームであり、何よりMJがチームオーナーである事実もチームカラーがセレクトされやすい理由なのだろう。ここで紹介する”BLUE CHILL"もしくは”UNC"と呼ばれるレディース専用デザインのAJ1も、シャーロット・ホーネッツのカラーを取り入れた一足だ。2019年2月にシャーロットで開催されたNBAオールスターゲームに合わせて発売されたプロダクトで、アッパー全体に鮮やかなパテントレザーをインプットしたラグジュアリー感溢れる仕上がりが印象的だ。画像では黒に近い色合いに見えるかもしれないがトウガードやアイレット、そしてスウィッシュを染めるのはダークトーンのネイビーで、ボックスのカラー表記も”OBSIDIAN”と記載されている。UNCカラーとの組合せであり、画像だけではAJ1の”OBSIDIA UNC"を連想させる仕上がりに見えるものの、こちらはトウキャップもカロライナブルーに染め、アウトソールもUCNカラーを採用。更にシュータンも”OBSIDIAN”カラーをセレクトしているので、実物を並べみると大きく印象は異なっている。このAJ1"BLUECHILL"はアッパーに採用したパテントレザー特有の”ツヤ感”を活かす為にウィングマークをペイントせず、エンボス加工のみで再現しているのも特徴だ。このウィングマークは縁取りタイプにアレンジされ、よりディティールを強調しているのは分かるだろうか。ちなみに同じくエンボス加工だけでウィングマークを表現した”GATORADE"も、縁取りタイプのウィングマーク使用だ。

Air Jordan 1 ”OBSIDIAN UNC”

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黒曜石をイメージしたダークトーンのネイビーを鮮やかなカレッジカラーとコーディネイト。

 

”BLACK TOE”に通じるパターンをセレクトしたAJ1は、アッパーを彩るカラーから”OBSIDIAN UNC"もニックネームが与えられたカラーウェイ。この”OBSIDIAN”とは黒曜石(こくようせき)の事。天然石でありながらガラスのような性質をも持ち、古くは石器時代のナイフの素材として使われていた。深い黒に染まる黒曜石は僅かに光が透ける特性があり、NIKEではブラックに近いDARK系のネイビーを”OBSIDIAN"と表記している。そして明るい水色”UNC"は言うまでも無くMJno出身校であるUniversity of Carolina(ノースカロライナ大学)のスポーツチーム”Tar Heels"のチームカラーを再現したもの。明かるさこそ異なるものの、同じブルー系を組み合わせたルックスは一体感があり、コーディネイトに取り入れやすいAJ1として活躍してくれる。NBAワシントン・ウィザーズの八村塁選手も”OBSIDIAN UNC"を履いたオフショットをInstagramに投稿していた一足だ。バランス感に優れるカラーブロックが美しいAJ1”OBSIDIAN UNC”だけに、履かずに新品コンディションのまま保管したくなるコレクターもいるかもしれない。だがこのモデルのアッパーにはスエードやヌバックを使用しておらず、比較的汚れを気にせず履けるAJ1でもある。実際の履き心地はサイジングや足の形、シューレーシング(靴紐の通し方)によって異るため一概には言えないが、シワ加工が施されたサイドパネルやヒールパーツも絶妙に柔らかく、オールドスクール系バッシュとしては優れたフィット感も期期待できる。HYPE系スニーカーの代表格であるAJ1も本来は履いて楽しむプロダクトであり、汚れやダメージを気にするのはおかしな話だ。ただ、これ程までにAJ1が入手困難となったスニーカーシーンにおいては、苦労したAJ1を少しでも長く履きたいと思うのは当然のこと。建て前や綺麗事を言う余裕が無いのも当然なのだ。

Air Jordan 1 "TIE DYE"

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タイダイ柄特有の円状になったムラ染めが再現されたレディース専用デザインのAJ1。

2020年6月に発売されたレディース専用デザインのAJ1”TIE DYE"は、本来のターゲットである女性だけでなく、男性のスニーカーヘッズからも注目を集めたカラーウェイだ。その最大の特徴はニックネームの由来にもなっているタイダイ柄である。タイダイとは”TIE=縛る”と”DYE=染める”を意味する言葉で、日本語では縛り染とも表記される。主にTシャツ等でお馴染みの染色手法であり、布を強く縛ってから染料に漬ける事で作られる。意図的な染めムラが特徴だ。布を縛って染めるため、一般的なタイダイ柄は円状の濃淡が特徴となっているがこのAJ1”TIE DYE"のサンプル画像がリークした段階ではタイダイとは言いがたい仕上がりでファンを落胆させている。ただ、実際に発売されたバージョンでは濃淡の異なるブルーで円状の濃淡が再現されていた。更にタイダイ柄の塗装面では細かい凸凹施し、布地のような手触りを演出しているのも技ありの演出である。ここで紹介する”TIE DYE"だけでなく、デザイン性に優れるAJ1がレディース専用モデルから続々と発売される背景には、女性層を取り込もうとするNIKEのマーケット戦略が存在しているのは言うまでもない。既に多くのAJ1ファンが存在する男性層にも加え、女性層にもAJ1ファンが増えれば売上も拡大すると言う目論見だろう。Instagram等で自身のコーディネイトが手軽に発信出来る現代では、影響力の強い女性ファッションニスタが魅力的なAJ1を履き、そのフォロワーに憧れを抱かせる事が、女性のAJ1ファンを増やす近道となる。そのため”映える”レディース専用モデルのAJ1が世に送り出されるのだ。ただ、AJ1ni魅力があれば男性のAJ1コレクターも反応するのは当然のこと。元々スニーカーコレクターは男性層が圧倒的に多く、レディース専用モデルであっても男性も着用可能なビッグサイズから売れていく皮肉な状況が続いているのだ。

Air Jordan 1 "GOTTA SHINE"

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名作”SHATTERD BACKBOARD"を連想させるカラーブロックを採用し、トゥキャップとヒール側の補強パーツを光の角度によって深いグリーンからパープルへと色を変える特殊なペイントで染めたAJ1は、NKEから”GOTTA SHINE”のニックネームが与えられたプロダクトだ。ニューオリーンズ・ペリカンズの本拠地である”スムージー・キング・センター”で開催された2017年のNBAオールスターゲームを記念して誕生した1足で、プロダクトネームに使用されている”AS”もオールスターゲームを意味するもの。”GOTTA SHINE”には「輝かなければならない」という意味があり、特別な舞台に参加するプレイヤーを鼓舞する意味が込められたニックネームなのである。発売時にはここで紹介するAJ1に加え、AJ6とAJXXX1の”GOTTA SHINE”もラインナップしていたが、AJ1”OG”に初めてラインナップしたオールスターゲームモデルであり、スニーカーヘッズからの人気もAJ1に集中していた。この”GOTTA SHINE”のカラーブロックは、ニューオリーンズ・ペリカンズよりもシャーロット・ホーネッツを連想させる。その理由は次の通り。2017年のオールスターゲームは本来ノースカロライナ州のシャーロットで開催されるはずだったが、2016年3月にノースカロライナ州LGBT差別法(HB2法)が可決すると、NBAは「活動する全ての街、州、国で法律を選べないことを認識しているが、HB2が作り上げた反LGBT的な風潮の中で、オールスターゲームをシャーロットで開催し成功させることは出来ない」と表明。開催地がニューオリーンズへ変更されてしまったのだ。その発表がオールスターゲーム開催まで時間がないタイミングだったため、NIKEもデザインを変更できずシャーロット・ホーネッツのチームカラーのまま発売された経緯がある。このAJ1をNIKEが”ALL STAR”と呼ばず”GOTTA SHINE”と呼んでいるのもHB2法に抗議するスタンスの表れかもしれない。